シリーズ企画

イワガキ

2007.5更新
丹後の海が育てた旬の味覚 イワガキ
京都のええもん

 京都府内でとれるおいしいものを再発見してもらう「京都のええもん」シリーズ第一回目は海の幸「イワガキ」です。

1. 夏が旬です!丹後のおいしいイワガキ
 牡蠣(カキ)といえば冬場に鍋やフライで食べるマガキが一般的ですが、夏が旬のイワガキをご存知でしょうか。夏には、一部の地域を除くとあまり牡蠣を食べる習慣がありませんでしたが、イワガキは、夏場でもおいしく安心して食べることができる大きな牡蠣です。

 イワガキは、北海道南部から本州沿岸に分布し、マガキより外洋を好み、外海域の水深1~20メートルの岩礁などに付着していて、主に素もぐりでとられ、丹後でも特産物となっています。
 手のひらぐらいのゴツゴツした大きな硬い殼につつまれ、その中には大きな白い身が入っています。一口では食べられないほど大きい身は、フライやバター焼きに適していますが、むき身にレモンをしぼって食べると、その濃厚でクリーミーな独特の味が口いっぱいに広がります。


イワガキ稚貝をホタテ貝殻に付着させて育成します
 牡蠣は、山から流れてくる豊かな自然が育てるといわれます。丹後のイワガキは、由良川などの河川から供給される栄養塩をとり入れて育った豊かな植物性プランクトンを食べ、すくすくと育ちます。身も大きく、昧も濃厚と評判です。

2. 丹後の海が育てた旬の味覚 イワガキ

養殖施設の様子
 一般に牡蠣は、アミノ酸やミネラル類などの様々な栄養素が多く含まれるために、海のミルクと呼ばれています。特にコレステロール上昇を抑え肝機能を強化するといわれているタウリンや、新陳代謝や免疫強化を促す亜鉛が豊富な食品としても近年注目されています。
 マガキが1~2年で商品になるのに対して、天然のイワガキは5年以上もかかるといわれています。府内の漁獲量も平成10年には、約200トンにも達しましたが、近年減少している状況で、府立海洋センターでは、資源を維持し、高品質なイワガキを安定して市場に提供するために、卵から椎貝を育て、商品サイズの大型イワガキを育成する技術の研究を行っっているそうです。


育成イワガキ。同じ大きさ(重さ)の「天然岩がき」と比べて殻が薄く、小ぶりでもこの身の大きさ(天然ものの約1.5倍)
 最近では、数十万個の稚貝を生産できるようになり、漁業者により大型イワガキの育成に取り組まれています。なお、人間の手で育てるといっても魚類養殖のように餌を与えるわけではなく、天然貝と同じ海中の植物性プランクトンを食べて育ちます。したがって、育成貝は天然貝と味も変わらずおいしい牡蠣だそうです。さらに、イワガキ育成においては、手間ひまかけ、よりよい環境を整えて育てるため、イワガキ本来の成長を最大限引き出して、身入りのよい高品質な貝を計画的に出荷することができるそうです。 イワガキのシーズンは、五月の下旬からです。みなさんも丹後へ出かけて旬のイワガキを味わって下さい。

新しい舞鶴の夏の地域グルメ 『舞鶴岩がき丼』を売り出し

 舞鶴かきキャンペーン協議会(舞鶴観光協会、舞鶴市漁協、舞鶴市水産協会)では、市民も観光客も手軽に食べられる地産地消の新たな夏の舞鶴グルメとして『舞鶴岩がき丼』を今月五月頃から舞鶴市内の飲食店で提供しています。

 本来のぷりぷり感と濃厚な味を生かすため、むき身をそのまま味付けすることを基本レシピとして、(1)舞鶴産の「岩がき」と「舞鶴かまぼこ」を使用していること(2)かきそのものが見えていること(3)おいしくてまた食べたくなることを『岩がき丼』の三つの条件としています。

 これからの季節、舞鶴を訪れた際には、磯の旬を丼で味わってみてはいかがでしょうか。

【お問い合わせ】舞鶴観光協会(0773-66-1024)
【ホームページ】http://www.maizuru-kanko.net/